2016年8月、佐渡島の芸能フェスティバル「アースセレブレーション」の関連イベントとして、日本の語り芸の今昔を体感する場を提供すべく「小木演芸場」が臨時オープンする。

江戸時代から伝わる古態の語り芸「ちょぼくり」をはじめ、ごぜ唄、講談、浪曲の各界で今をときめく語り手たちが、夏の日本海を沸騰させる!!

ナビゲーター:長尾 景友 ホームページ

主催:北辰座

音楽家・長尾景友を代表とし、空き家となっていた古民家を再生してイベント開催や生活体験施設としての運営をするなど、芸能と暮らしの体験をプロデュースする団体。

2015年、村上市の古民家を活用し、明治期に村上に設立された学舎「晩翠堂」を140年ぶりに復活させた。風土と芸能のかかわりについて考える「晩翠堂音楽会」を定期的に開催している。

2016年3月より、テレビ朝日番組「イチから住」にて、地方移住生活を体験する俳優の住居として晩翠堂の町屋が使われ、その様子が毎週日曜日に放送されるなど、空き家活用の先行事例として話題を呼んでいる。


〒171-0051 東京都豊島区長崎6-9-3-205 / 03-5926-4743

会場:小木本演芸場

小木本町通りで宿屋を営んでいた「天南荘」(現在は廃業)

「天南荘」外観

大座敷48畳(演芸場として)

8月26日(金)〜28日(日)
初日(26日)は午後の部のみ。27、28日は午前・午後の部両方あり。

午前の部 開演 10:00/終演 12:15

時刻 内容 演者
10:00 勧進元 挨拶(5分) 長尾 景友
10:05 ちょぼくり(10分) 立ち役・廣嶋 地方・本間氏
10:20 ごぜ唄 萱森 直子
11:00 講談 神田 松之丞
11:40 浪曲 玉川 太福(曲師:玉川 みね子)
12:15 午前の部終了
12:30 色ものコーナー 27日:田村優子【篠笛・歌】
28日:小島千絵子、山口幹文、齊藤栄一

午後の部 13:30/終演 15:45

時刻 内容 演者
13:30 勧進元 挨拶(5分) 長尾 景友
13:35 ちょぼくり 立ち方・廣嶋 地方・本間氏
13:50 ごぜ唄 萱森 直子
14:30 講談 神田 松之丞
15:10 浪曲 玉川 太福(曲師:玉川 みね子)
15:45 午後の部終了
16:00 閉館

ちょぼくり

立ち方・廣嶋 源市

佐渡市大崎在住

地方・本間尚詮

佐渡市大崎在住

ちょぼくりとは、江戸時代後期に上方で始まった門付け芸の一つといわれている。
上方では「ちょんがれ」、江戸では「ちょぼくれ」と呼ばれた語り芸で、明治に入って形を変え、浪花節・浪曲となる。
しかし日本で唯一、それが古態のまま現代に継承された地域がある。
それが、佐渡島の大崎集落である。
今回、この大崎集落から出てきてもらい、小木演芸場に御出演いただくのが、立ち方(踊り)の廣嶋源市さんと地方(語り)の本間尚詮さんである。
彼らの「ちょぼくり」が披露されるのは、大崎集落でそばを食べる会が不定期に催される時や、何かの祝い事がある時等である。
つまり集落外の者にとっては、それを目撃する機会は極めて稀少であり、まして島外の者にとっては何をかいわんやである。
日本の語り芸の始原の姿を目撃しに、是非小木演芸場にお越し願いたい。

越後ごぜ唄

萱森 直子

新潟県出身
「最後のごぜ」といわれた小林ハルの弟子

プロフィール

ホームページ

はらわたから絞り出すような声と、岩に砕ける波濤のような三味線の音色。
越後の風土をここまで体現する音も他にあるまい。
冬は鉛色の空とその下を吹き渡る寒風。夏は風にそよぐ稲穂の緑が目に眩しい。そのコントラストが綾なす越後の四季と喜怒哀楽。これを表すには瞽女(ごぜ)の力強い声をもってするより他ないといえば言い過ぎだろうか。
一般にごぜ唄には「寂しい」「もの悲しい」といった観念がつきまとう。しかしそれはこの芸が持つ諸相の一面的イメージに過ぎない。
萱森さんに言わせれば、ごぜ唄は本来「生きる誇りに満ちたもの」であるそうだ。
初めて萱森さんの公演を観た時の演目は説教節の一つ「山椒大夫」だったが、そこには、まさに佐渡を舞台にした物語の中で躍動する登場人物たちの必死に生きる姿があり、物語が「それを伝えるための最適な声」を得たといった感があった。
初めて佐渡で聞くごぜの語りが、今から待ち遠しい。

講談

神田 松之丞

東京都出身
「講談界の風雲児」と称され、現在若手講談師の中で最も勢いに乗る注目株

プロフィール

ホームページ

越後には酒造り唄が多く残っている。
清酒の仕込みは一年で最も寒い時期に行われるため、蔵人(酒造り職人)たちが極寒の中での作業中に歌って体を温めるためでもあったという。
声を出したぐらいで体が温まるものかと思われる向きもあるだろう・・・が、温まるのである。その生きた証が、神田松之丞さんである。
話がひとたび軌道に乗った瞬間、松之丞さんの額から滝のような汗が流れ出す。しかしここで勘違いしてならないのは、それは決して発声によって肉体が温まったからだけでなはない。
神田松之丞が語ることによって、物語自体が熱を発し始めるのである。それは物語を熱くし、語り手を熱くし、当然、聞き手を熱くする。なぜそのような事が起こるのか。
多くの優れた役者がそうであるように、氏は物語を「語る」に留まらず、それを「生きる」のではないだろうか。氏が我が事としてそれを生きることにより、登場人物たちは血肉を伴い、質量をもった存在としてそこに立ち現われる。
「見る立場」にいた観客は襟首をつかまれて物語の内側へと引きずり込まれ、いつの間にかそれらの人物たちと対峙させられている。
そして言うまでもなくそこは、熱い。

これだけのことを声のみでやってのけるのが、神田松之丞という男なのである。
それが出来るのは、氏の中に多くの人間の「型」が内在しているからだろう。恐るべき33歳である。

浪曲

玉川 太福
(曲師:玉川 みね子)

新潟県出身
有無を言わさぬ迫力の「大音」で人生を唸る浪曲界期待の若手

プロフィール

ホームページ

木馬亭という、日本で唯一の浪曲専門の定席が、東京浅草にある。
ここである時、新潟県出身の浪曲師の口演を聞いた。
それまでに出てきた演者は皆、マイクを立ててやっていたが、その人の番になって幕が開くと、マイクがない。
何かの手違いだろうと思って見ていると、ほれぼれするような巨躯を黒紋付に包んだ堂々たる浪曲師が出てきた。そしてマイクなしのまま、躰全体を響かせて唸りだす。
その外題付け(浪曲の出だしの一節)はまるで人間の声に対する讃歌のように聞こえた。「大きな声」と「伝わる声」が別物であるとはよく言われることだが、この人の声はその両面において他を圧倒しており、驚きと共に記憶に刻まれた。
この新潟県出身の浪曲師こそ、今をときめく浪曲界のトップランナー、玉川太福さんである。

浪曲は巷間「一声、二節(歌の部分)、三啖呵(セリフの部分)」といわれ、その声の良し悪しこそ評価の第一基準に置かれるのが常であるが、初めて氏の口演を聞いた時、生で人間の声を浴びるというのはこんなにも気持ちの良いものかと思ったのを覚えている。

その声を武器に、氏がストーリーテラーとしての天賦の才を浪曲という形を得て開花させたことにより、その背中を追うべく今、浪曲界の門を叩く若者がじわじわと増えつつある。
越後が生んだ若き浪曲師の大音を、是非浴びにきて頂きたい。

色ものコーナー

【篠笛・歌】
田村 優子

プロフィール

長く単調で、それでいて海難という命の危険にさらされて生きる北前船の船乗り達。
はるか水平線の向こう、佐渡の港に待つ女の歌舞音曲に、心身のこわばりを解くひと時のあることを心の支えにした男達も、少なくなかったことだろう。

また彼らの中には女を喜ばせたい一心で、各地の里謡を船底で必死に練習した者もいたに違いない。女はそれを微笑みをもって聞き、お返しの唄を歌ったろうか。
そうした女達と男達の交流の結晶として、佐渡のおけさはある。

船乗りたちが運んだ唄の情緒は、芸に秀でた佐渡の女たちによって座敷芸へと昇華せられ、おけさ節として今日我々の耳を楽しませ心を潤してくれる。
そんな「佐渡の女」の遺伝子を色濃く受け継ぐのが、田村優子さんである。

幼い頃より佐渡の置き屋で鳴り物を聞いて育った田村優子さんの、その艶やかな歌と篠笛に、昔日の船乗りになった心持ちで耳を傾けてみたい。

山口 幹文(左)
小島 千絵子(中央)
齊藤 栄一(右)

プロフィール

佐渡という日本文化の「還るべき場所」を守り、同時に世界に向けてコミュニケーションの可能性を提示し続けてきた鼓童。
今回の小木演芸場オープンは、そんな彼らの地元愛に触発されての企画でもある。

日本が誇るこの太鼓芸能集団のメンバー数多ある中に、音に聞こえた御三方。幹文・千絵子・栄一と、重鎮そろえばいぶし銀。誉れも高き鼓童の歴史。小木演芸場にてそろい踏み!
一緒に小木の座敷を盛り上げたい!

料金 : 2,700円(自由席)

お問い合わせ先


北辰座
〒171-0051東京都豊島区長崎6-9-3-205
03-5926-4743
kagetomo@city-corp.co.jp

本公演は佐渡アースセレブレーション2016の提携イベントとして開催されます。